『予実績管理の重要性(第5回)』|大阪の税理士事務所|竹内総合会計事務所の公式ブログ

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『予実績管理の重要性(第5回)』

2009 年 10 月 8 日

◆経営計画の運用
第3回のコラムで「経営計画書は作成して終わりではありません。運用することこそが経営者の最も重要な仕事であり、これを活用し、会社の業績を上げていくことが最終目的である」といった話をしました。
 経営計画では、経営ビジョンに基づく中期の売上・利益の目標数字作りを行います。それを年度ごとの短期の目標計画にまで落とし込み、1年間の中での季節変動などを考えた上で毎月の計画に落とし込みます。その月次計画目標が達成できているのか否かを確認するのが予実管理にあたります。
 実績は、月次決算でその数字を確認することができますので、予(計画)に対してどうであったのかを比べてみることが重要です。特にその達成度や差異の確認は最低限しなければなりません。

◆PDCAのマネジメントサイクル
予実管理を発展させるとPDCAのマネジメントサイクルを作ることになります。
“P”とはPLAN(計画)、“D”とはDO(実行)、“C”とはCHECK(検証)、“A”とは、ACTION(修正実行)のことです。
経営計画を作成することがPLANにあたります。その目標計画を達成するための活動をすることがDOにあたります。実績の結果を検証する際に月次決算データをCHECKすることになり、そこで問題点・課題を見つけどのように改善していけばいいのかを考え次のACTIONを起こすことになります。予実は計画・実績の確認だけで終わらせていたらただの確認作業でしかありません。行動したことの反省や検証があり、それを次の改善に活かすことこそが予実管理の本来目指すところになります。

◆予実管理は月次会議で行う
計画数字の達成はもちろん全員で共通した目標を持ち、取組むことが必要です。そのため、社員が参加した月次会議での予実確認が有効です。月次会議は、月初か月末に行い下記のスケジュールで進行させます。

①前月の計画の確認
②前月の実績の確認
 ※個人の予実績確認も併せておこなう
③取組み上での反省等による検証
④今後、どのように改善し、取り組んでいくのか
⑤今月の(修正)計画の確認

PDCAのところでも強調したように、③の取組み上、活動においての反省をして④のそれを改善していくことが会議の目的です。しかし、実際の運用上は反省をするだけではなく、成功事例の共有や上手くいったことに対して評価をするなど、社員のやる気やモチベーションを上げるような会議にすることがあるべき月次会議の姿といえます。

◆個人目標の重要性
月次会議の中で『個人の予実績確認を併せて行う』と記しましたが、会社の目標数字だけではなく個人別の目標を持たせることはとても重要なことです。
 社員にとって最もわかりやすい目標は売上の目標数字です。年間の目標数字を月次にするのはもちろんのことですが、キャリアによってはもっと短い期間で設定することも一案です。
ただ、あまり細かな目標を設定すると押し付けられたものとなってしまう可能性が出てきて、社員のモチベーションにも悪影響を及ぼしてしまうことになりかねません。
 目標の設定においては、経営者の定めるもの(高くなりがち)と社員が設定するもの(低くなりがち)の両方の意見や考えを聞いたうえで、最終的に目指すものを決定すべきです。その目標数字を上方に持っていくためには、経営者はその理由を明確にし、その社員への期待度を示すことが有効です。理由を理解し、期待をされた社員は、達成が難しい目標でも「やる気」をもってトライすることができます。同じ目標を与えることにおいても、その目標の設定のやり方やその意味の与え方で活きた目標にすることができることを経営者は認識しておくべきです。

『経営ビジョンは目指すべきものを見える化することです(第4回)』

2009 年 10 月 8 日

◆経営ビジョンの定義とは?
経営理念が哲学的な概念であるとすれば、経営ビジョンは、企業の目指す姿・形の“Visible(見える化)”なイメージです。
 企業が成長していく際に、組織の求心力を保つために、経営理念や経営ビジョンを通して経営スタンスを明確化することが不可欠です。また、経営理念や経営ビジョンはさまざまな経営戦略を実践・推進していく上での必要条件となります。

◆経営ビジョンに必要な内容とは?
経営ビジョンとは経営理念に基づき、目指すべき姿を定性的・定量的に具体的にしたものであるともいえます。
 経営ビジョンには、定性ビジョンと定量ビジョンの2つがあります。定性ビジョンとは、例えば、3年後の経営者が考える自社のあり方、あるべき姿です。一方、定量ビジョンとは、定性ビジョンを数値目標にしたもので、例えば、3年後の経営数値のあるべき姿をいいます。
 ①定性ビジョンとは?
事業領域(特化・多角化)・商圏(営業活動の範囲)・会社規模(組織・多店舗化・上場等)・顧客(既存・新規)・商品(特化・新商品等)・顧客満足・社員満足など
 ②定量ビジョンとは?
売上高・利益高・利益率・資本金・業界シェア・業界ランク・地域シェア・顧客数・営業拠点数・店舗数・従業員数・報酬(給料)・達成期限(いつまでに)など
◆経営ビジョンの作成手順とは?
経営ビジョンは、以下の手順で作成下さい。

STEP1・・・定性分析(SWOT分析)や定量分析(財務分析)により自社の現状を把握することから始めます。(目標を立てるには自社の位置づけを明確にすることから始めてください。)

STEP2・・・定性及び定量面について、X年後の経営ビジョンを策定します。

STEP3・・・次に、X年後に向けて1年目、2年目・・・・というふうに経営ビジョンを設定していきます。3年後の目標に向けての橋を渡す考え方をすることがポイントです。  

◆経営ビジョンを作成するポイント
経営ビジョンを設定するときのポイントは以下の通りです。
①経営ビジョンを経営者が単独で作成する場合は、その目的と意味を従業員に説明できるようにすること(経営ビジョンが分かりやすいこと)

②経営ビジョンは、経営戦略(経営ビジョンを達成するための方法)を念頭に置いて設定すること。(戦略的に考えること)

③3年後に目標を設定するのであれば、努力すれば到達可能と思われる目標で設定すること(到達可能性を検討する)

④経営ビジョンは1度設定したら変更が許されないものではないので、毎年見直すぐらい、柔軟に考えること(経営ビジョンは毎年見直すこと) 
◆経営ビジョンを達成するためには?
“ビジョン”は、企業にのみ存在するものではありません。社長、幹部、社員それぞれが、自分の人生においてもつ目標も“ビジョン”です。会社の“経営ビジョン”は経営のトップである社長が考えることが殆どですが、それを社員全員で共有することが最も重要です。
 しかし、多くの中小企業は経営者と従業員の意識の間には大きな溝(ギャップ)があるのが現実です。このギャップを埋める努力が経営者に求められます。経営理念の本質や経営ビジョンの達成が「なぜ必要なのか」ということを日ごろから議論することでそのギャップは少しずつ縮小していきます。
①経営者は従業員に対し、常に経営ビジョンを意識するよう働きかける。(動機付け)

②経営者は、何が何でも経営ビジョンを達成するんだという強い意思があることを従業員に伝えること
(コミットメントする)

③会社のビジョン→組織のビジョン→個人のビジョンという手順で、全体の目標から個人の目標にまで落とし込むこと(トップダウン・ボトムアップ)

④経営ビジョンの達成度の進捗管理を定期的(毎月、四半期ごと、一年ごと)に行うこと(進捗管理)

『中小企業は経営計画で“夢”を実現しよう。(第3回)』

2009 年 10 月 8 日

◆成り行き経営はなぜだめなのか?

経済成長が順調な右肩上がりの時代は、売上高のアップが企業利益のアップに直接結びついていました。しかし、供給が需要を上回る経済、つまり物余りの今の時代は、同業者間の競争が激化し、売上の増加も鈍化し、利益の向上も厳しくなってきています。
 そんな今の時代の競争に打ち勝つためには同業他社が持つ以上の知恵とたゆまない努力が要求されます。つまり、“まじめにコツコツと働いている!”だけでは会社に利益とお金は残らないのです。これを経営者や幹部は理解しなければなにも始まらないのです。つまり、現在の経営の延長線にはあなたの会社の未来はないのです。
◆経営計画を作成する目的とは?
経営計画書を作成する目的はなに?一言でいえば、あなたの会社の“経営力”をアップすることです。 会社の経営力をアップするためには、①自分の会社の今をよく知ること ②これからどうしていくべきかを考えること ③その目標と目的を社員に落とし込み共有することが必要です。
 経営計画書はそのためのツールなのです。残念ながら、経営計画書を作成している企業が少ないのは大変残念なことです。”先のことは分からないから作らない!“という方に一言・・「先が読めないからこそ作るんですよ!」
 また今の時代ほど“社長力”が求められる時代はありません。社長力とは、先見性、問題解決力、リーダーシップ等であり、経営数値に基づく経営を実施することがその原点でもあります。その一歩目として、経営計画で現状を確認し、課題をみつけ、目標を立て、そこに向けてどうするのか(対策)を考えることが重要であり、経営計画書を作成することが、社長力をアップする近道なのです。

◆経営計画書の全体像は?
当社が提唱する経営計画書は、大きく3つのフェーズに分けて策定することとしています。
 1つ目は経営理念や行動指針などの経営者の経営に対する思いを表わしたものです。会社を設立する際に「なぜこの会社を作ったのか。」「どのような会社に育て上げようと考えたのか。」などを思い出せば自然と出てくるものです。
 2つ目は経営ビジョン、経営戦略などの目指すべき会社の方向性を表すものです。これを作成し、社員に示すことで会社の向かうべき方向性(ベクトル)が決まり、“社員力”が結集されるためにも必要不可欠なものです。
 3つ目は売上計画、利益計画や資金計画などの経営数値計画です。売上や利益といった数字で目指すゴールを明らかにするものです。通常の経営計画といえば利益計画書を作成することになりますが、当社では、上記の3つの考え方をミックスした経営計画の策定を提案します。

◆弊社お勧め経営計画書の特徴
当社の提唱する経営計画は、経営計画書の入門版との位置づけで、作成のしやすさをテーマに構成しました。
 1.まず前期の実績数字と今期の今までの実績数字を対比することで、ご自分の会社の現状を見ることからスターとします。
 2.次に、今期のこの後をどうするのかを考え、それを達成するための計画書を作成します。
 3.これからの業界等の外部環境や自社の内部環境がどうなるのかを予測することで、自社のあるべき姿を定義し、来期以降の自社の売上=利益の3ヵ年計画を作成します。
 4.最後に初年度の売上=利益計画を月別に落とし込み、売上、経費、キャッシュ面から達成可能かどうかの裏づけをとり、達成可能な計画にしていきます。(この作業が一番大変です)
 弊社が提唱する計画の特徴は、計画が絵に描いたもちに終わらないように、“裏づけ”を取ることです。

◆経営計画書を活かすためには
経営計画書は作成して終わりではありません。運用することこそが経営者の最も重要な仕事です。つまり、これを活用し、会社の業績を上げていくことが最終目的であり、そのためにはその活動に日ごろから社員を巻き込んでいかなければなりません。
①社長の考えを社員に浸透させる・・・・社長と社員の考え方には必ず大きな溝が存在すると考えてください。したがって、経営者は経営計画を“経営の羅針盤”として、従業員とのコミュニケーションツールとして活用ください。
②社員に経営参加意識を持たせる・・・社長は、オープンブック(経理の公開)により、毎月の会社の財務状況を社員に公表すべきです。しかし、全ての経営数字を公開する必要はありません。経理を社員に公開することで経営者に対し信頼感を得ることにつながり、会社のために働くという意欲を持つことにもなります。
③社員と一緒に考える場を作る・・・全員参加の経営会議を毎月実施することにより、社長と社員が経営活動結果を話し合うことです。会議ではP⇒D⇒C⇒Aのサイクルを廻せるように、常に、計画、実践(実行)したら、反省(検証)し、次にどうすればいいのかを考えることが、“経営力”“社長力”“社員力”のUPにつながるのです。


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